鮨と日本酒は「辛口なら合う」は勘違い?本当に相性がいい組み合わせ

寿司屋のカウンターで「とりあえず辛口の日本酒をください」と注文していませんか。
実は、どんな魚にも辛口を合わせておけば間違いがないというのは大きな誤解です。

寿司のシャリには酢と塩、そして微量の砂糖が含まれていて、ほんのり甘酸っぱい土台を持っています。
そこに脂の乗った白身や濃厚な赤身、クセのある貝類などのネタが合わさる仕組み。
お酒を選ぶ際は、辛さの度合いよりもお酒の酸味や米の旨味がネタにどう絡むかが肝心です。

例えば、マグロの赤身やトロのように強い脂と鉄分を持つ魚には、米の旨味がしっかり乗った純米酒。
濃密な赤身の脂を純米酒の豊かなコクが優しく包み込み、口の中でしつこさを残さず綺麗に溶かします。
これが超辛口の吟醸酒だと、お酒の鋭いキレがマグロの脂分を弾いてしまい、後味に生臭さが残ることも。

逆に、繊細な甘みを持つ鯛やヒラメといった白身魚には、香りが華やかで澄んだ純米吟醸がよく映えます。
白身魚の淡い旨味を邪魔することなく、すっきりとした爽やかな後味が口いっぱいに広がるはず。
また、煮詰めたタレをつける穴子や車海老には、少し温度を上げたぬる燗の純米酒を合わせるのが粋。
温めることでお酒の酸味が柔らかくなり、タレの甘みとお酒の旨味が一体となって解けていきます。

お酒と寿司はお互いの長所を引き出し合い、短所を消し合う補完関係にあると言えるでしょう。
料理との相性をしっかり考えて選ばれた一杯は、一貫の寿司を極上の体験へと変えてくれます。
次にお寿司を味わう際は、ぜひネタの脂や味わいの強さに合わせたお酒選びを楽しんでみてください。

熊本県熊本市中央区下通近郊にお住まいの方はぜひご来店ください。